『DOGFOOD食育読本』

2008/4/10 木曜日

カテゴリー: — masatoku @ 0:04:31
DOGFOOD食育読本―あなたのドッグフード選びは正しいですか? DOGFOOD食育読本―あなたのドッグフード選びは正しいですか?
ペットフード向上委員会
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北大卒業後、日清ペットフードで長らくペットフードの開発に携わった後、お客様相談室長に就任した獣医師さんの監修による一冊。
正直、かなり「ペットフードメーカー」寄りの内容で、イラストや造本が可愛らしいだけに、微妙な読後感が残る。読み手として一番知りたい「本当のところはどうなのか」の具体性にどうにも乏しい。様々な栄養素や、危険な食べ物があるにしても、それらはどのぐらいの量与えると、どのように役に立つのか、あるいはどの程度の危険性があるのか。ペットフードを与えるにしても、それこそピンからキリまであるけれど、それはどのような違いによるものなのか。等々。

Q&Aコーナーにも微妙なものが多い。
「Q2:毎日、人間が食べる食事と同じものをペットに食べさせても大丈夫である。」答えはNoで、ここではやっぱり「塩分量が多すぎるから」というのが理由にはなって、それは同意はできる点ではあるにせよ、「塩味は付けずに与えましょう」にはならないんだよなあ。
「Q4:水よりも牛乳を与える方が健康にいい。」答えはNoで、その理由は「犬はカルシウム要求量が多いので、牛乳を飲んでもそれを満たすことができない」ため。んん?? 別に牛乳を飲めば食事がいらないって話ではないよなあ。もちろん「犬によっては下痢をする」のも当然ありうることだけど、それは人間だって牛乳で下痢をしやすい体質の人だっているわけで、個体差の範囲内。「あげてみて、問題なければあげたほうがいい」じゃないのか?
「Q12:犬は体内でビタミンCを作ることができるため、食べ物から摂る必要がない。」答えはYes。いや、ビタミンCを作ることはもちろんできるけど、「必要がない」まで言い切るのはどうなのか。体調によっては体内で作られるビタミンCでは不足するときもあれば、そういうときにビタミンC豊富な果物や野菜を与えてあげて悪かろうはずもない。(ドッグフードメーカーの生産したものを与えない、という方向性だとすればわからないでもないけど)
「Q14:日本で販売されているペットフードの表示基準を定めている機関の名前は?」答えは三択で「ペットフード公正取引協議会」が正解なんだけど、これは正確には正解ではないよな。「公正取引協議会」とついているから「公正取引委員会」的な公的機関のようにいっけん思えるんだけど、実態はペットフード工業会の会員が多い自主規制機関でしかない(法的な罰則や強制力があるわけではない)。法的にはペットフードは「雑貨」であり、規制はない。だから本当の正解は「ない」なんだよな。
それに表示基準の話をするのであれば、そもそも、なぜペットフード工業会は、その成分量を「原材料が多い順に80%以上になるまで表示」という規制になっているんだろう? なぜ100%開示されていないのか? その残り20%は何が入っているのか? 不思議な話といえるんじゃなかろうか。
(ちなみに国産ペット自然食協会の会員会社は100%開示だけれど、これは多くのペットフードメーカーにはひょっとすると非常に高いハードルなのかもしれない。実際に、設立当時「100%開示は無理」といって加盟しなかった会社さんもいます)
まあ、それはこの本とは関係ないといえば関係ないところだけど、うーん、ペットフードに由来する(かもしれない)アレルギーや、死亡事故がこれだけ話題にされているのに、このくらいの問題意識でいいのかなあと、可愛らしい本だけに疑問に思うところだなあ。
おすすめはしません。(個人的には須崎先生の本とかのが全然おすすめ)

1 件のコメント »

  1. 『DOGFOOD食育読本』…

    DOGFOOD食育読本―あなたのドッグフード選びは正しいですか?ペットフード向上… (more…)

    トラックバック by gekka blog — 2008/4/12 土曜日 @ 1:10:33

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