『食べさせてはいけない!ペットフードの恐ろしい話』

2008/4/2 水曜日

カテゴリー: — masatoku @ 14:10:02
食べさせてはいけない!―ペットフードの恐ろしい話 食べさせてはいけない!―ペットフードの恐ろしい話
アン・N. マーティン Ann N. Martin 北垣 憲仁
白揚社 2003-12
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カナダでの出版が1997年、日本での出版が2003年と、すこし前の本ではあるから、少しは状況が変わっていると信じたいけれども、いろいろと業界のことを見知って行くにつれ、おそらくは根本的には変わっていないんだろうなと思う一冊でもあります。

著者は、あるペットフードを食べさせていたことで──そこには毒物が基準値を遙かに超える濃度で含まれていた──愛犬の死に遭遇し、それから、「ペットフード」の安全性に疑問を持ち、調査を始めます。すると、一般の人にはほとんど知らされてこなかった、ペットフードの粗悪・危険、そしてきわめて廉価な材料の真実を知ることになります。
(ペットフード原料の肉の一部には、病死・安楽死・事故死したペット・動物の肉も含まれていることなど──なお、日本で生産されているペットフードの一部にも、ペットの肉が「再利用」されているという情報もあります)

レンダリング工場では、食肉処理場から来た原料、レストランやスーパーマーケットが出したゴミ、死んだ家畜、路上轢死動物、安楽死させられたコンパニオン・アニマルが巨大な容器に投げ込まれます。そして機械がこれらごたまぜの原料をゆっくりと砕いていきます。細かく砕いたあと、だいたい一〇四℃から一三二℃のあいだで二〇分から一時間加熱処理します。そうすると脂肪や獣脂が上に浮いてくるので、これを取り出します。この脂肪や獣脂が、ほとんどのペットフードに含まれる動物性油脂のもとになります。残った原料は、加圧して水分を絞り出します。こうして肉骨粉が手に入るのです。(p79)

レンダリング工場(死んだ動物を溶かして脂肪などを採る工場)では、だいたい原料の10%程度はコンパニオン・アニマル(ペット)たちだともいわれます。
またそこには、倫理的なもの以外に、どんな問題が考えられるのか。
ペットフード会社が「入れていない」という化学物質が入っている可能性があります。

 ビタミンやミネラルといった混合成分の多くには防腐剤が含まれている、ということにも注意を払ってください。これは、あなたのペットが多数の原料から防腐剤を摂取しているということなのです。ペットフードには、たいてい人工調味料、ニンニク、チーズやベーコンが加えられています。口当たりをよくするためです。このような香料と、灰色のものを新鮮な赤い色にする着色料が添加されているため、消費者は缶入りのドッグフードやキャットフードに対して健康に良さそうだという印象を持つのです。
リストのつぎには、防腐剤BHAとBHTがあります。かなりまえから、この二つは発ガン性物質ではないかという懸念がもたれています。両方とも化学酸化防止剤で、ペットフードの脂肪質が不快なにおいを発するのを防ぐものです。これらの保存料を使うと、そのペットフードは永遠に貯蔵できます。エトキシキンは酸化防止剤・防腐剤で、6章でさらに詳しく述べますが、ここではかいつまんで説明しておこうと思います。
『農場化学薬品ハンドブック』には、エトキシキンは殺虫剤として載っています。(中略)
ペットフード会社は、自社が添加したのでないかぎり、エトキシキンがペットフードに入っていてもラベルに表示する必要はありません。レンダリング工場で脂肪に加えられた場合、飼料用製粉工場で穀類に加えられた場合、つまりペットフード会社に運ばれるまえにペットフードの原料に加えられた場合には、ラベルにエトキシキンを表示する必要はないのです。(p96-97)

アメリカからコンテナで太平洋を数週間かけて運ばれ、日本に陸揚げされてからパッケージを詰め替えられ、そこから数ヶ月間も常温のペットショップの棚に置かれ、開封してからも数週間も(時には数ヶ月、数年も)腐らない、1kg数百円のフードというのもあります。原価が販売価格の1/3~1/10だとすれば、原料となる食材の品質はどういうものになってしまうか。また、長期保存を可能にするためにはどういう添加物を加えなければならないか。ということも考えさせられます。

著者は、それゆえに「手作り食」を推奨しています(この本にもそのレシピはいくつか載っています)。実際に「ペットフード」以前の犬猫は、食卓の残飯を食べていましたし、その時代にはこれほど多くのペットたちのアレルギーや疾患、病気はなかったはずです。もちろん、ペットフードだけが、その原因だとは限りませんが、多くのペットフードが著者の指摘するような製造過程を経ているのだとすれば、原因の何割かはそこにある──のかもしれません。

もちろん、逆に考えれば、粗悪・粗雑な材料で、人間の食用には使えないほどの保存料・添加物を加えているからこそ、安価なペットフードを安定的に大量に供給できるのかもしれません。それを敢えて選択するのも、飼い主の考え方次第とも言えます。
ただ、「家族としてのペット」に与えている「完全栄養食たるペットフード」がどんなものであるのか──どんなものもあるのか──は、知っておくべき問題なんだろうと思います。その点で、これはやはり「読まれるべき」一冊と思います。

アイ・ボウでは、もともと中村の飼い犬が市販ドッグフードで体調を壊したことがきっかけで「クイックわん!」を開発したということもあり、自社商品はもとより、取扱のすべてのフードに、合成添加物・保存料を使用せず、原料となる肉や野菜も、人間が食べられる品質のものを使用しています。もちろんそれ故に多くのドッグフードよりは高価になります。ですが、考えてみれば、人間用食材を原料にしたものは、人間用か、それに近い価格にどうしてもなってしまうものではあるのです)

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